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2000-02-12 22:36 | カテゴリ:ライブ・ヒストリー
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曲目
まつり/北島三郎
JAIL HOUSE ROCK/BLUES BROTHERS BAND

 そのドラマは一枚の応募用紙から始まった。前回ライブでアキシタが使用したコンガを購入する際、楽器店に置いてあった物を彼が持ちかえっていたのだ。そこにはこう書かれている。「社会人バンドウォーズ2000、いくつになっても音楽を忘れられない、熱血社会人のためのコンテスト」、なるほど良い響きだ、わし等にこれに出て一暴れしろと、こう言いたいのだな?OK、OK、まかせなさい。ショットガンのようなインパクトで観客を魅了してやろう。しかし曲は2曲しかできない。
「まず、1曲目、何する?」とアキシタ。たかぱしは紫煙を燻らしながら静かに微笑む。了解、お前の気持ち、代弁してやろう。

「まつりだな?!」
みんなうなずく。恐らくリーダーや皆もそう言うだろう。かくして女美、大阪乗り込み計画の幕は切って落とされたのだった。

 一時審査はテープ選考だ。わしらはビジュアル系(?)であるので、その魅力が伝わらないであろう、普通のテープを送る事はせず、ビデオテープを送付する事を画策。我らの部室であり、ダビング可能な出張中のたかぱしの部屋にアキシタ、浩太郎、そしてわしの3人で入りこみVTRダビング作業を行う。夏のライブの「まつり」をダビングするが、曲が始まり浩太郎がふんどし一丁になるまで、応募規定時間のキッカリ5ミニッツ!流石浩太郎、ここまで計算してのパフォーマンスだあったか。感動すらしてしまう。途中飲んでいたビールをたっぷり床にこぼしてしまい、お詫びに物で溢れ返っていた出張中のたかぱしの部屋を完璧に掃除し、その上模様替えや綺麗なおねいさんの裸のポスターまで貼る手の込み様。出張から帰って来た彼はあまりにも綺麗な上、見覚えのないソファーまで置かれていた自らの部屋でただ立ち尽くし、もう一度表札を確認し自分の部屋である事を確認する。シャワーを浴びようとしたが、綺麗過ぎてどこにタオルがあるかすら分からず、そのまま出勤したという。悪い事をした。計画的な犯行だ。気を許すまじ、女美之衆!

 一次審査の報告は あすなろライブ の打ち上げ時、リーダーの口からだった。ヒートビートでライブが出来る、その事実に喜ばない者は誰一人いない。そりゃそうだ、応募822バンドの中の120バンドに選ばれたのだから当然だ。二曲目も比較的完成度高く、ノリも割と保証される「JAIL HOUSE ROCK」を選曲。練習を重ね、ステージ構成も徐々に固まってきた。ぷっ、くくく(笑)!早く当日にならないかなあ。

 ああ、眩しいぜ、目がくらみそうだ。西日本一を誇る照明郡が容赦なくわしらの全身に突き刺さる。今日は社会人BW二次予選、梅田ヒートビートのステージにわしらは立っている。まばゆい光の隙間から、これから始まるショウを期待する観客の笑顔が見え隠れし、両脇通路にはスタッフの面々が立ち並ぶ。前のバンドがインタビューされる中、わしらは赤いハッピも艶やかに準備を進める。
「怖いくらい気合入ってるな。」と司会のイナ氏。その通りだ、ギターのネックを握るわしの手も汗ばんでいる。熱い、熱いぜ。寒い冬の一日、ここだけは常夏のパラダイスだ。さあ、ファンカナイズドされたエンドルフィンびんびんステージを堪能してくれ。ハート・イズ・ゴールド、わし達の魂で、まずは軽く威嚇射撃だ。覚悟しな。さあリーダー、口火をよろしく!

「みなさんこんばわー!ジョービジョバーズでーす!」

たかぱしのリンゴ追分がリーダーの言葉を追う。リハを見た者はギターのマイナーコードにワクワクし、何も知らない者はリーダーのMCを無防備に受け入れて警戒しない。すかさずこう続けるリーダー。「まずは祭りです。オヤジ、よろしくうっ!」

 ショウは始まった。重厚なバスドラがライブハウスを瞬時にしてイナセな空気に変え、いまにし嬢のエレドラが華を添える。イントロの導入部はビブラスラップだ。与作などで知られるあの「かーーっ!」と言う音の楽器だ。我らのアイテムに一瞬観客は「おおっ!」の顔。たかぱしのSAXが冬の玄海灘のように客席に畳み掛け、そしてこう問う。「お前はマツリしているか?心から踊っているか?」と。続いて左袖からあの男が現れる。そう、お察しの通り、浩太郎。今日も自慢のエメラルド・グリーンの着物に三度笠、ててて、と小走りに現れる。舞台中央で後ろ向きに立ち、振り返り様こう叫ぶ。「ありがとーーーーーおうっ!」血が沸騰して行くようだ。強烈なまでの興奮、狂喜、泥酔、空腹が場を包む。何が起こったか分からず、きょとんとした顔も見える。浩太郎は最前列の女の子と目が合い、少し照れると熱唱し始める。リーダーのチョッパーがドゥビドゥビ炸裂する。「せいや!」の掛け声も鮮やかに曲は突き進む。要所要所でのビブラスラップも欠かせない。浩太郎はサラリーマンである喜び、エレジー、決意を歌い上げて行く。グレイトだ!ロックも良い、ブルースもジャズも好きだ。ファンクやサンバだっていい。しかし今は演歌、エンカ、ジャパニーズ・ブルース、それしか己を表現する術が見つからない。しかしそれで良い。それでここにいる者達は全てを理解してくれるのだから。この歌のように、でっかい祭りをぶち上げる女美之衆達。それに共感しない者はこの場にいない。

 間奏はワシとたかぱしで務める。浩太郎が番傘をぱっと開くと、そこには「ありがとう」の寄席文字。桜色の綺麗な傘だが、浩太郎の勢いに負けて破れてしまう事で、そのエネルギッシュさを物語る。曲は最高潮に達して行き「そいや!そいや!」の声がこだまする。やがて曲が終了するが、体内のカロリーの殆どを失ってしまった観客に、その熱を冷ますなと次なる曲へ繋げていく。ふんどし一丁の浩太郎が感謝の言葉を告げる。

「サンキュー・ベリ・マッチー!」
興奮する気持ちを押さえきれないでいる浩太郎。
「皆さん、ハートは熱くなってますかー!?」
応えは客席ではなく、バックのメンバーから返って来る。
「暑いでーす!」
字が違うだろ、字が。そして何故に貴様等が脱ぐ?しかも全員サングラスにボギーハットだ。浩太郎はわし等を嗜める。
「皆、こっちに言ってるから。」
すまん浩太郎、でも何かを訴えたくて仕方がない浩太郎。
「皆さん、今日僕は、ブリーフを履いて来ました。皆さん、ブリーフは、好きですかー?!」
訴えなくていい、そんなもん。しかも観客は応えずに、わし等が応える。
「大好きでーす!」
全員ブリーフ・ブラザーズに早着替えだ。っちゅうか着替えてないぞ、お前達。

 さあ、次の曲だ。次は威嚇じゃないぜ、ショットガンだ。ソウルな一撃が皆のハートを撃ち抜くぜ。
「天国のジェイクに捧げます。ブリーフ・ブラザーズ、JAIL HOUSE ROCK!」
アキシタのカウントに続けざま、イントロリフが始まる。「じゃ、じゃーん!じゃ、じゃーん!」
拳を突き上げる度にブリーフの端からはみ出したデン部が揺れる。なんてタイトでハード・ボイルドなんだ。渋い、渋過ぎるぜ。ストレートなロックが飢えた観客のハートを掴んで離さない。GSはまるでボンドガールのようだ。浩太郎は、サラリーマンは監獄の中の奴隷ではなく、どんな逆境でも楽しむスーパーマンである、と説き続ける。

 間奏に入り、浩太郎はブルースハープを奏でる。続けざまわしのSOLO、間髪入れずたかぱし、しかしその後半たかぱしのソロが一転してメロウな空気に変える。GSは来ていたジャケットをするりと脱ぎ、たかぱしを盛り上げる。艶かしい女性の曲線を思わせるメロディはたまらなく素敵だ。こいつをツマミに酒の一杯も飲みたくなる。

やがてたかぱしのフリー・ソロがおわると再びサビに突入する。激しいシャウトとタイトな曲が場を包み込む。フフフ、圧倒されているぜ。まさかパンツ一丁になるとは思わなかっただろう。浩太郎とGSは酸素を吸うヒマもないくらい叫び続ける。
「Dancin’!Dancin’!Dancin’!Dancin’!」
締めはフロント陣の華麗なダンスだ。本番直前まで練習した一糸乱れぬ体さばきは言葉をなくすほど美しい。
「じゃーん、じゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃん!」
「せんきゅー!」

j_hyosyo.jpg 燃え尽きたぜ、真っ白にな・・((C)ちばてつや)、最高の気分だ。曲が終わり、司会者の周りに集まるメンバー達。司会のイナ氏は我らのインタビューの前に軽く楽器の宣伝を行い、そしてこう言う。
「それでは次の皆さんです。」
ななな、ちょっと待ってください、インタビューは?確かに楽器持つと何も履いてないように見えるので話し辛いのか?しかしその顔は明かに笑いで引きつっている。
「しかし、それサブちゃんに失礼やで~。」
イナ氏の小洒落たトークに会場も盛り上がる。こうしてワシ等は無事演奏を終え、舞台袖へと消えて行く。そのパンツ一枚の後姿は儚くも美しい。

 「結果発表ー!」
主催者の講評の後、最後のフィナーレを飾る最初の言葉が会場にこだまする。賞は優秀賞(グランプリ出場権あり)と特別賞(グランプリ大会は保証しないが、選考で行ける可能性がある)が各二つづつだ。
「それでは特別賞の発表をします。」
まず一バンド目が呼ばれる。美しいメロディを聞かせてくれたワビサビさんだ。彼らが舞台上に上がると、イナ氏は続いて二組を呼ぶ。
「続いて二組目は・・・」
弥が上にも緊張は高まる。唾を飲みこみ、呼吸を整える。呼ばれるか?呼んでくれ、その名を!

「エントリーナンバー9、the Jovi Jover-s!!」
いやっほー!やったぜー!優秀賞だ!嬉しい事この上ない。これで今晩の酒が美味くなる。

 カクシテ我々”the Jovi Jovers”は、特別賞を見事ゲットする事ができた。ありがたい、応援してくれた方々皆に支えられての賞だ。もちろん今までのライブ通して全てだ。ちゃんと見ていてくれる人がいる、そう、これはわし等の信念の結果だったのだ、と謙虚に受け止める。楽しくなければ音楽じゃない。それを体現出来た事を素直に喜び、今夜の酒を飲もうではないか。その日絶える事がないであろう喜びを噛み締めながら、大阪の町に消えて行く女美之衆だった。わはははは!
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